大橋の笑いのタネ

(さまぁ〜ず多め)

カフェハラは、ハラスメントじゃなくマイノリティの問題だよ、という話

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カフェハラについては、ハラスメントに該当しないと思っている。

しかしカフェハラの提唱により、カフェインに敏感な人がいるという事実が広く知られたので、結果として良かったとも思う。

 

言われなければ気づかないことって結構ある。

カフェインがダメな人がいることは、私も言われて初めて意識できたタチである。

 

あれは新卒の時だったろうか。

先輩がご褒美にと、新人の私たちに飲み物を買ってきてくれた。

「袋の中から好きなものを選んでいいよ」と言われて中を見ると、コーヒー、カフェラテ、ミルクティなどが詰め込まれていた。

まあ当たり前だ。仕事中に一息いれるのであれば、カフェイン入り飲料を選ぶだろう。

みんなでキャーキャー選んでいる時に、ひとりの同僚が言った。

「カフェインがダメなので、私はいいです」

カフェインを少しでも摂ると、お腹を壊すのだそうだ。カフェインを受け付けない体質ってあるんだ、と始めて知った。

 

今は自分自身がカフェインに弱くなってしまったので、1日の上限に気をつけて、計画的に飲み物を選ぶようにしている。カフェインを摂りすぎると頭の血が引いてしまい、気分が悪くなり、ソワソワイライラしてしまう。

 

カフェハラの提唱者は、取引先で自動的にコーヒーが出てくる場面を上げて、カフェハラだと定義している。

私は取引先に出向く機会がなく、むしろお茶を片付ける方が多い。下げるときのお茶はそのまま残っていたり、減っていたとしても半分くらいだったりで、空になっているものはほとんどない。

だから提供されるコーヒーに手をつけない選択も出来るのでは?と思うのだが、仕事の内容と立場によっては違うのだろうか。

しかし、時と場合により、断りづらい局面は必ずある。

 

その最たるものが、先ほどのように差し入れでいただくカフェイン。

相手のお財布から出していただいている、という状況がまず断りづらい。

あとはカフェイン以外の選択肢がない事。

そして相手の目の前で口をつけるのが礼儀だという空気。

その場に複数人いて、他の人が一斉に飲み始めたらなおさらだ。

「カフェインがダメなので、私はいいです」のひと言が、重すぎて出てこない。ああ、あの時の同僚は、なんと勇気の要ったことか。

空気に負けて飲むと、市販のカフェイン飲料は砂糖やなんやら分からないものがいっぱい混ぜてあるので、数時間は気分が悪くなってしまう。それでも死ぬ訳ではないし、毎日起こる出来事でもないので、断るよりは口をつける方を選ぶ。

 

お礼やプレゼントでコーヒーギフトを頂く時もある。

相手の気持ちを無下にしたくないから、礼を言って受け取る。その後さてどうしようか、となる。処分してしまうのは気が引けるし、誰かにこっそりあげるにも、回り回って本人の耳に入って気分を害してしまうのではないか心配だ。

ちなみに同じようなプレゼントに、「入浴剤(バスボム)」がある。

おしゃれで無難なギフトの代名詞であるバスボムを、自宅に湯船がない人にプレゼントしてしまう場合に問題だ。ここ日本で、自宅に湯船がない人なんているのか、とお思いだろう。

いるのである。シャワーしかない家もあるのである。

 

という訳で私は、善意で提供されたものは断らずに受け入れる派なのだが、そもそもなぜお茶やコーヒーが選ばれるのかと考えてみると、まあ、フツーだからか。

お茶やコーヒー好きは多く、こだわりも多い。カフェインを取るとしゃきっとするので、仕事中や気分転換に摂取する事が多い。だから来客や会議で提供するにはうってつけだし、相手の為にプレゼントもする。よくあるフツーの事だ。

ただフツーを摂取すると苦しくなる人が一定数いる。

 

要はカフェハラは、ハラスメントというよりは社会的少数者(マイノリティ)の問題だ。

カフェイン好きの多数派で常識と定番がつくられているものだから、相手も多数派に属するとして、善意で行動する。だいたい予想通りの結果を得るか、相手が多数派を装ってきた。

もしカフェインがダメなのだと申告されたら、「そんなの知らないよ、先に言っておけよ」となるだろう。前もって知っていればお互い無駄なことをせずに済むし、傷つかなくて済む。言ってくれた方が嬉しい、と。知らないもなにもカフェイン好きが多数派じゃなければ、相手が飲むものを出す、相手が好むものを与える、だと思うんですよね。ま、忙しいですよね。面倒ですよね。

 

昨今は、いろんな方面でマイノリティである事をカミングアウトする人が増えている。それは良いことなのだが、だからといって「言うべき事」とは別物だ。

マイノリティである事は同時に、弱点でもある。弱点を自らカミングアウトしますか?

もしかしたら誰かにこっそりカフェインを盛られるかもしれないじゃないか。

危険すぎる。

 

今回の一件で、同じようにカフェインを受け付けない人が結構いる事がわかった。

カフェインに敏感なあなた。カフェインがダメですと発表するに越した事はないけれど、発表できなくても、あなたが弱いのではない。悪いのでもない。

コーヒーを提供してきたあなた。あなたを否定する訳じゃないし、コーヒーを否定する訳でもない。コーヒーが飲めない人がいる、もしかしたら目の前の相手がそうなんじゃないか、と頭の片隅でちょろっと考えてくれればそれでよいのです。

コーヒーも美味しく飲まれたいと思うんですよね。