ポテチは日本政府からまだ睨まれていない
復活しましたね!ピザポテト!!
さっそく食べてしまいました。
さて、いも不足で日本のポテチが姿を消した間、海外のポテチ勢が存在感を増し、売り場に並ぶプリングルスを見て、久々に思い出しました。
こうやってふざけたなーって。
・・・じゃなくて!
「ポテチ税」の事です。
2011年9月に、ハンガリーで通称「ポテトチップス税」が導入された。塩分や糖分が多い食品に課税されるもので、ポテチ1kgあたりには約80円課税。
ピザポテトに置き換えると、
63gあるので、一袋約5円課税される感じ。
これに端を発して、欧州では肥満税なるものが次々に制定されている。ソーダ税、脂肪税、砂糖税。
このニュースを聞いた私は、そういう税金の課し方もあるんだ、と新鮮な驚きで楽しかったのを覚えている。
税金とは、その国の形である
佐藤雅彦氏の著書、『経済ってそういうだったのか会議』にて、税金の仕組みにその国の形が現れる、という趣旨の話がある。
誰からどんな比率でとるか、そこからその国のあり方、戦略が透けて見える。
例えば関税。
海外からわざわざ物を買える人は裕福な人(もう仕組みが変わってきているが)。それに、外国製品に国産品が負けるといけないから、輸入品に税を課す。
ポテチ税の場合は、肥満を減らしたい、嗜好品だからお金にゆとりがある人から税をとれる、といった所だ。
贅沢品、健康に悪いものは理由がつけられるので税金を高くしやすい。税金が高ければその商品の競争力は弱まる。企業にとって痛いが、商品の購買欲が弱まることで国を、国民を守れるという事だろう。
日本にもタバコ税、酒税がある。
タバコは値段の63%が税金だそうで、本当に、喫煙者には頭が下がる。
課税方法は簡単であるべき
さて、『そういうことだったのか会議』でも言われておりますが、課税方法は分かりやすくないと、不公平感が募るばかりです。
イギリスでは軽減税率を採用しており、生活必需品は税率が低くなる仕組みがある。ここから起こった喜劇をご存知でしょうか。
先ほどのプリングルスについて「ポテチだから軽減税率の対象外で、17.5%の税金がかかります」と言われた製造元、「プリングルスはポテチではない、ビスケットだ!(ビスケットなら税率ゼロ)」と主張し裁判になります。
結果、プリングルスはポテチではない、と判決が出ました。
え?ポテチじゃないの?
どうやら原料のいもの割合が低く、製造方法もポテチとは違うかららしいのだが、え?そもそもポテチ税の趣旨って、肥満を防止するとか、お菓子は贅沢だよね論じゃなかった?“ポテチであるかどうか''でなく、趣旨からすると課税すべきように思うが。
メーカーは税金が低くなるように努力するはずなので、「ポテチじゃないです。」商品が次々出てきてキリがないはず。
日本でも「その税率の違いはなんで?」と思う品目がある。種類とアルコール度で細かく分けられている酒税。
スーパーに並んでいるくらいの容量350mlを買うと仮定し、内、どのくらいが税金なのか計算すると、ビールがかわいそうである。
不遇の時代を生きるビール。
(ちなみに書き忘れたが2コマ目に登場するのはウイスキーです。)
アルコール一度あたりで計算すると、
ビール・・・44円
清酒・・・8円
ワイン・・・7円
焼酎・・・10円
ウイスキー・・・10円
です。
これは!明らかにビールが不遇だ。
だから企業は「これはビールじゃないです。」商品の開発に全力を注ぐ。
ちなみに発泡酒は350mlあたり28円、アルコール一度あたり16円の課税です。
なるほど、発泡酒が増えた訳だ。
ビールはもともと輸入品だった名残の税率だとも言われています。新たに税をとったりあげたりする事になったら、業界からの反発はすごいでしょう。
それこそ、ポテチ税とか、砂糖税とか。業界から反発されたら、かえって税収は少なくなるのでは、と思う。しかし、砂糖税についてはWTOから課税するよう推奨されているみたい。
もう時代の流れですね。健康に良くないものはすごく高くして手が届かないようにする。ただ、抜け道を探した「じゃないです商品」ばかりにならないよう、お願いしたいです。